
色彩検定とカラーコーディネーター検定試験の違い
「色彩検定」は社団法人全国服飾教育者連合会(A・F・T)が主催していることからもわかるように、
「色彩検定」はファッション系に強く、色自体の活用効果やセンスに重点を置いている、と言えます。
一方「カラーコーディネーター検定」は商工会議所の検定であるので、服飾以外にも建築系やデザインなど工業系にも用いやすい理論や数値なども重視した内容だと言われています。
しかし、2005年度に色彩検定の改訂が行われて、両者の差は少なくなっています。
色彩検定はさらに2009年度にもテキストの改訂が行われています。
両者の大きな違いとして挙げられる点は
「色彩検定」は1級ではすべての内容を網羅していますが、
「カラーコーディネーター検定」は専門分野としてファッション色彩・商品色彩・環境色彩は3分野に
分かれている点です。トータルに学ぶにはすべての分野について学ぶには3つの試験を受ける必要があります。
それぞれのテストの受験者
それぞれのテストの受験者についてみてみると、
どちらの試験もいろいろな分野の方が受験されていることがわかります。
「色彩検定」の方が文部科学省後援の検定試験であることから、学生の受験数が多いですが
どちらの試験も学生だけでなく、インテリア、ファッション、グラフィックなどのいわゆるデザイナーや、販売、企画、事務といった一般的な職種の受験者が数多くいらっしゃいます。
色彩検定受験者(色彩検定HPより) カラーコーディネーター受験者(カラーコーディネーター検定試験HPより)
色彩試験とカラーコーディネーター検定で取れる資格
色に関するスペシャリストのことを『カラーコーディネーター』という総称で呼ぶことがありますが、
これは国家試験のようなライセンスではありません。
色彩検定とカラーコーディネーター検定試験の合格者には
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色彩検定 |
カラーコーディネーター検定試験 |
取得資格 |
合格者称号 |
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3級 |
3級色彩コーディネーター |
アシスタントカラーコーディネーター |
2級 |
2級色彩コーディネーター |
2級カラーコーディネーター |
1級 |
1級色彩コーディネーター |
1級カラーコーディネーター「ファッション色彩」 |
1級カラーコーディネーター「商品色彩」 |
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1級カラーコーディネーター「環境色彩」 |
色彩検定の合格者には色彩コーディネーターという資格が
カラーコーディネーター検定試験合格者には、それぞれの称号が与えられます。
色彩検定とカラーコーディネーター検定試験はどちらを選べばいいか
色彩検定とカラーコーディネーター検定試験ともに民間資格であり、
色について知識とその活用の仕方などを理論的に身につけることができます。
しかし、そのどちらもカラー関係の仕事においてどちらもなくてはならない資格というわけではありません。
比較すると『色彩検定』は「色に関する知識や技能」を社会的に評価する『尺度』として
社会的な認知を得ていることや、20年以上の実績や、年々増加する志願者数が累計で120万人を超えていることから、色彩検定の方が認知度は高いと言えるでしょう。
色彩検定を選んだ理由
私は色彩検定を受けました。色彩検定を選んだ理由は
1.カラーコーディネーター試験は2次試験がないが、1級が3つに分かれている。(3回も受けなければいけないのはとても面倒だし、大変そう)
2.カラーコーディネーターの方が知名度が高いような気がするが、色彩検定は文部科学省後援であり
実際の受験者数、合格率、合格者が色彩検定の方が多く、認知度が高い。
3.参考書などが手に入りやすいので、独学がしやすそう。
の3つの理由で決めました。
実際受けてみて、色彩の歴史から色の見え方、組み合わせ方などとてもいろいろなことを知ることができ、自信をもって色について話すことができるようになりました。
少ないながらも良い参考書などがあり、独学で合格できたので、色彩検定を選んでよかったと思っています。